慌ただしく毎日が過ぎていきますが、眠る前の時間はゆったり過ごしたくなりますね。子供との寝る前の読み聞かせ時間に、そして大人のリラックスタイムにおすすめな3冊を我が家の本棚から選んでみました。
よるくま 作者:酒井 駒子
眠りにつく前に「ママ、あのね…」とお布団に入って、おとこの子がお母さんに語りかけます。そこから、昨日の夜に出会った不思議なくまのお話がはじまります。
暗い暗い真夜中におとこの子とくまの子がくまのお母さんを探して、小さな二人の冒険が繰り広げられます。静かな夜の街角や公園を探してみたり、よるくまのお家を探してみたり。
なかなかお母さんが見つからないよるくまは、涙をポロポロ流してしまいますがキラリと光る流れ星に願うと…。
ちょっぴり寂しくもあり、でもほっこり心が暖かくなる素敵な物語です。思わずぎゅっと一緒に抱きしめたくなるような、読んでいると静かに優しい時間が流れていく絵本です。
怪物園 作者:junaida
不思議な怪物たちが描かれた表紙が目を惹くこちらの絵本。
「怪物園」と呼ばれる大きな城のような怪物の中に、さまざまな見た目をした怪物たちが住んでいます。ある静かな夜にうっかり玄関を開けたまま、いびきをかいて寝てしまう「怪物園」。その玄関からゾロゾロと怪物たちが外の世界へ抜け出してしまうところから物語が始まります。
子供も大人も怯えて、家に逃げ込み、子供たちが窓から怪物を眺めてお話をしはじめます。外に出られない子供たちは退屈して、互いに話しながら空想し、想像の冒険に旅立ちます。
子供目線の空想が懐かしい気分にもさせてくれますし、時々するお母さんの声で現実に戻ってきたり、また、空想の世界に旅立ったり。長い長い夜の時間を旅しながら、迷い込んだ怪物たちを助けるという不思議な物語です。
暗い夜の街と空想の世界の絵の対比が美しいですし、不気味な怪物たちの行進を私も窓から眺めているような気分になります。1匹1匹違う姿をした怪物たちの絵を眺めるだけでも楽しめます。
はくぶつかんのよる 作者:イザベル・シムレール
人間たちが帰り、静まり返った夜の博物館をそっと覗いてみたら、どんな感じかなと大人も静かにドキドキしてしまうような絵本がこちら。
描かれている蝶や動物たちがとても繊細で美しく、さまざまな展示部屋があり、子供と一緒に博物館を見学している気分になれます。
静かな夜の博物館の中で、展示されていた1匹の蝶がヒラヒラと動き出し、そこから夢のようなひとときが始まります。薄暗い館内を色とりどりの生き物や置物たちが動き始めます。物語の終わりに出てくる朝焼けの描写がとても美しく、大人も思わず見入ってしまいます。
ぜひ、夜の静けさの中で読んでいただきたい1冊です。